以前クラフトジンラボでもご紹介させていただいた「のとジン」が、新しい姿で生まれ変わりました。
その名も「のとジン 氣(き)」。
2025年7月から全国発売が始まったリニューアル版は、国産ライススピリッツをベースに据え、能登の米文化と復興への願いをボトルに託しています。
ラベルの「氣」は、能登町在住の抒情書家・室谷文音さんによるもの。
コンセプトを手がけるNTG代表・松田行正さんは、地元の稲作と人の強さへの敬意をこの一本に込めたと説明しています。
製造は英国から国内(千葉・TL Pearce蒸溜所)へ移行。
お米由来の自然な甘みと粘性のあるボディで、カクテルでも負けない力強さが加わっています。
参考リンク:のとジン氣公式サイト
「のとジン氣」へのリニューアルの背景とコンセプト
「のとジン」は、当初イギリス・ウェールズの蒸留所で製造されていました。
しかし2024年からは製造拠点を日本へ移し、千葉県の TL Pearce蒸溜所での生産へと切り替わっています。

背景にあるのは、より地域性を反映したジンを届けたいという想い。
海外蒸留の時代から評価されていた「軽やかなフルーツブランデーのような香り」を継承しつつ、ベーススピリッツを国産ライススピリッツに変更することで、味わいは大きく進化。
米は日本の文化を象徴する素材であり、能登半島の暮らしを支えてきた存在でもあります。
今回のリニューアルでは、この「米」を中心に据えることで、能登の精神性と復興への祈りをボトルに込めています。
参考リンク:TL Pearce蒸溜所
「のとジン氣」のボタニカルと味わいの特徴
「のとジン 氣」には、能登産を中心としたユニークなボタニカルが使われています。
主な構成は以下の通りです。
- ゆずの皮(珠洲市産)
- 月桂樹の葉(能登町産)
- カヤの実(珠洲市産・高知市産)
- 黒文字の小枝(能登町産)
- メドウスウィート
- ジュニパーベリー
- コリアンダーシード
- カルダモンシード
合計8種のボタニカルが重なり合い、米由来のスピリッツと調和することで、粘性のあるボディに優しい甘み、そこに海と森の香りが重なる独自の味わいが形づくられています。
「のとジン氣」のデザインとラベルについて
「のとジン 氣」のボトルでまず目を引くのが、ラベルに力強く書かれた「氣」の一文字です。
この文字は、能登町在住の抒情書家・室谷文音(むろや あやね)さんによるもの。

「氣」という字には、「米」を中心にした日本の暮らしや、能登の土地が育んできた生命力を象徴する意味が込められています。
ラベルデザインはイギリスのデザインラボ episode twoが担当。
従来の「のとジン」の印象を踏襲しながら、配色には、稲穂の輝きを表す黄金色、米づくりへの深い愛を象徴する濃藍(こいあい)、そして能登半島や水田を思わせる明るいグリーンを採用。
背景には花束のように稲の束が散りばめられ、収穫の喜びや農家への敬意を表現しています。
力強いボディと爽やかな香り、そして淡い甘みを備えたジンの個性を、色彩と書で表現したラベルに仕上がっています。
参考リンク:室谷文音
「のとジン氣」の詳細情報
項目 | 情報 |
---|---|
容量 | 250ml(通常販売) 500ml(初回限定生産100本) |
アルコール度数 | 43% |
ボタニカル | ゆずの皮(珠洲市産)、月桂樹の葉(能登町産)、カヤの実(珠洲市産・高知市産)、黒文字の小枝(能登町産)、メドウスウィート、ジュニパーベリー、コリアンダーシード、カルダモンシード |
価格 | 250ml:3,300円(税込) 500ml:4,950円(税込) |
蒸溜所 | TL Pearce蒸溜所 |
購入/予約サイト | のとジン公式オンラインショップ、提携バー・レストラン各店 |
まとめ
「のとジン 氣」は、能登の自然と人の営みを一つのボトルに閉じ込めたクラフトジンです。
国産ライススピリッツのやわらかな甘みと、能登の山や海を思わせるボタニカルが重なり合い、力強い味わいに仕上がりに。
ラベルに記された「氣」の文字には、震災を経ても稲作を続ける人々への敬意と、未来へ向かう希望が込められていて、金色や濃藍、明るいグリーンの色彩は、その思いを静かに支えています。
ただの一杯のお酒ではなく、土地の物語や人の想いを味わう体験。
グラスを傾けたとき、能登の風景とともに「氣」を感じてほしい――そんな願いが、この一本には宿っています。
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